去る9月8日(木)に行われました、第3回SJSウェビナー「持続可能な建築のための断熱材を考える」には多くのご視聴のお申し込みをいただき御礼申し上げます。
お申し込みいただいた皆様には、9月16日(金)にPeatix経由で【アーカイブ配信についてのお知らせ】や当日の資料のリンク等々をお礼のメッセージと共に発信させていただきました。
アーカイブ配信は、2022年10月2日(日)24:00まで視聴可能です。
もしPeatixのメッセージが確認できない、又はメールでのご案内を希望される方は、お手数ですが下記のフォームよりご連絡ください。SJSより直接、ご案内を差し上げるようにいたします。
また、当会へのお問い合わせや今後のウェビナー開催などSJSからのご案内をメールで希望される方がいらっしゃいましたら、お問合せページよりご連絡いただけると幸いです。
さて、SJSでは、欧州で実際に持続可能な社会づくりに取り組んでいる人々からの声を伝えることで、ウェビナー参加者の関心事や疑問に応えられるよう運営しています。
また時間内にお答えしきれなかった質問についても可能な限り、後日アーカイブ動画と一緒にお届けさせていただいています。
今回は下記のようなご質問をいただきました。回を重ねるごとに質問も活発に出ることとなり、主催者一同、皆様の関心の高さに応えられるコンテンツを模索しています。
Q、平均的な建築のリサイクル率が50%と仰っておりましたが、それは断熱材や石膏ボードも対象でしょうか?だとすればどのようにリサイクルされているのでしょうか?
回答者:イェーレ
様々な計算方法があり、システム境界を「純品種として分離可能」とした計算では、リサイクル率が60%となる調査結果もあります。しかし、今日の建物に使われている多くの(接着された)層のどれほどが分離できるものでしょうか?
スイスには建材再利用への明確な努力が見られます。しかしリサイクルには通常、エネルギーと長い輸送が必要となります。そのためバウビオローゲは、予防原則に従い最終的にエコロジカルな循環に問題なく入り込める建材を推薦します。
(滝川補足)
今日解体されている建物は昔の建物であり、今日の(分離し難い)建物はまだ解体・リサイクル期に入っていません。断熱材のリサイクルは始まったばかりで、まだほとんど行われていません。ロックウールのメーカで端材や廃棄物をリサイクルするサービスを提供している所もありますが、接着材や塗料の汚れのないものに限ります。自然系断熱材は、基本的に湿気に晒されていなければ、そのままリユースできるそうです。
実際には経済的なインセンティブがないため、ほとんどの場合、断熱材はゴミ焼却処分(発電・地域熱利用)になっているようです。しかし建物のライフサイクルにおけるカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーを目指す各国の政策による変化の傾向もあります。例えばフランスでは今年から、家電と同様に、建築廃棄物についても製造者が引き取り・廃棄を行うことを義務づける法律が施行されています。そのような制度が広がると、リサイクルや廃棄における問題のない断熱材・建材製品が増えると考えられます。
次回のウェビナーは、11月14日(月)17:00から「ビオホテルの実践と持続可能な地域づくり」をオーストリアとスイスと日本を結び生配信させていただきます。