【無料公開】11/26(水)第16回SJS交流ウェビナー「スイスに学ぶ:ネイチャーポジティブな川づくりの最前線」

ネイチャーポジティブとは、2030年以降を見据え、生物多様性を回復基調に転換することを掲げる国際的な枠組みであり、世界各国が持続可能な発展戦略に組み込み始めています。とりわけ、土地利用やインフラ整備に深く関わる建設分野においては、その実践が急務とされています。

こうした背景のもと、川に十分な場所を与え、自然に近い形態を取り戻し、生態系や水質を回復させ、水力発電による悪影響を緩和し、レクリエーションの場も創出する――。

スイスでは1990年代から河川の再生・再活性化が始まり、今日では市民社会に広く理解が浸透しています。2011年に改訂された水域保護法では、人工的な構造になった水域区間の4分の1にあたる約4,000㎞を、2090年までに再活性化する目標が定められ、国・州・自治体・民間の協力の下、多くのプロジェクトが進行しています。

今回のウェビナーでは、スイスの専門団体「水アジェンダ21」からシモーネ・クネヒトさんを講師に迎え、最新の取り組み事例を交えながら分かりやすくご報告いただきます。

クネヒトさんが所属する NPO協会「水アジェンダ21」 は、水利用や水環境に関わる官民学の主要団体が参加するネットワーク・フォーラム組織で、スイス連邦水生科学技術研究所内に設置されています。
連邦環境庁、エネルギー庁、水道・下水・水域保全の専門団体、国立研究機関、漁業団体、水力関連団体、主要環境団体などがメンバーとして参画し、気候変動下においても水域が水利用・治水・生態系機能・水質保全・余暇といった多様な側面を満たせるよう、持続可能な水経済の実現を目指して、ネットワーク形成や専門家の活動支援を行っています。

クネヒトさんの講演後には、この9月に発刊したばかりの『建設ネイチャーポジティブ』の著者: 中村圭吾 氏(国立研究開発法人 土木研究所) より、日本の状況を踏まえたコメントをいただく予定です。

今回のウェビナーは、SJSの代表を務める滝川薫による逐次通訳で行い、日本語での質疑応答が可能です。公益財団法人リバーフロント研究所の協賛で、どなたでも無料で参加いただけます。ご関心のおありの方に、ウェビナー情報をシェアしていただけるとうれしいです。

講師紹介
シモーネ・クネヒト

スイスのNPO協会「水アジェンダ21」(https://wa21.ch/)にて再活性化プラットフォームを担当。

チューリッヒ州立大学およびベルン州立大学にて水文学(すいもんがく)を重点とした地理学を修了。2012~15年、チューリッヒ州建設局水・エネルギー・大気庁水建設部にて、州の再活性化計画プロジェクトを担当。2016~21年、エンジニア事務所Holingerにて、水域空間の定義および管理コンセプトの策定に携わる。2021年より現職。

講演のポイント

  1. スイスの河川の現状と近自然な川づくり
  2. 水域保護法とその実施体制・状況
  3. 2030年までの水力発電所の改修対策
  4. 様々な規模の再活性化の事例
  5. 再活性化に伴うチャレンジ

【開催日時】2025年11月26日(水)17時00分~18時30分(スイスより生配信)
【参加費】無料  【逐次通訳】滝川 薫
【お申込専用サイト
Peatix→https://peatix.com/event/4586977

*賛助会員の方はお申し込み不要です。事前にメールにてリンクをご案内します。)

共催:SJS スイス-日本サステナビリティ交流会公益財団法人リバーフロント研究所
後援:認定NPO法人環境市民
お問合せ先:SJS スイス-日本サステナビリティ交流会
画像提供:© Wasser-Agenda21

SJS スイス-日本サステナビリティ交流会は、コロナ禍に欧州での現地視察が困難な状況下、持続可能な取り組みに関する生きた情報を日本に届けるため発足しました。

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